2014/12/27

 投票が終わってからというものの、TwitterなどのSNSを見ていると「自民党が戦争をしようとしている!」「徴兵されたくない!」とお前らいつの時代の人間なんだと言いたくなるようなことをおっしゃっている方々が多いので、思うことがあり、ちょっと皆様に読んでもらいたく今回の日記を書くことにしました。

 まず、12月14日に行われた衆議院議員総選挙。与党の圧勝という結果に終わり、自民公明両党は、自民党が追加公認した1人を含めて326議席を獲得しました。これが良い結果か悪い結果かと言われるとどちらとも言えませんが、投票率が戦後最低の52%を記録したことにまず注目したいと思います。
 ほぼ全ての都道府県で前回の投票率を下回った現状、理由を考えるとすれば「国民における政治への関心が無くなった」「どこに投票しても同じと思った」などが考えられますが、結論からいうと僕は別に投票なんて行きたくないなら行かなくていいんじゃねぇのって思っております。法の上で強制されていない投票ならば、投票しないという選択肢もあると考えているからです。理由は先ほど述べた通り。むしろ投票に行かなければ非国民だと思われる風潮だとか、選挙に行かなかったなら政治に文句を言うなと言っている人もどうかと思っとります。だって投票しないことだって意思の一つと僕は考えているからです。支持したい政党が無いのに無理やり投票に行かせたらそれこそ民意に背いていると考えられはしないでしょうか。

 何故ここまで投票に行く皆様の足取りが重かったかと言うと、単純に政治への信頼感が薄いからに他ならないでしょう。かく言う僕も消去法でしか何処に投票するか決められませんでした。自民党は三本の矢(金融政策・財政政策・民間投資を喚起する成長戦略)のうち、二本の矢(金融政策・財政政策)は成功していると思いますし、民主党政権と比較すれば結果は残したんじゃないかなぁと個人的に考えていたのですが、正直TPPの参加や解釈改憲など、国民に疑問を持たせた動きもあったことは事実だと言えます。

 ここで特筆したいものは解釈改憲について。最初に書きました通り今のSNSでは多くの人が「日本が戦争をしてしまうようになる」と思っている方が多いらしく、選挙を経て国民が消えることはありませんでした。

 ちなみに僕はこの解釈改憲には反対です。しかしそれは戦争を危惧しているわけではなく、月並ではありますが憲法の軽視に他ならないと思っているためです。
 現在の憲法9条は以下の通りになっております。

 第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 学校でも習いますし、もちろん皆様もご存知だとは思いますが、問題はその解釈です。僕の中では1972年の政府見解がこれまでの憲法に対する解釈だと思っております。それが以下の通り。

 集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然といわなければならない。
しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るための止(や)むを得ない措置としてはじめて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである。そうだとすれば、わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。
 
 現在の自衛隊は個人的自衛権を有しているので日本が攻撃されたら反撃が許されております。確かに国連加盟国で集団的自衛権を行使しないとしているのは日本だけではありますが、それは第二次世界大戦を経て平和というものに重きを置いた日本ならではの考え方であり、僕はなんら不自然なことではないと考えております。

 話が少し反れました。戻りましょう。「日本で戦争は起こりうるのか?」ということについてです。結論から言えば、ありえます。例えば米国が他国から攻撃された際、望まない国へ戦争に駆り出される可能性。それが中東などであった場合、テロの対象になることだってありえなくはありません。
 しかしながらここで皆様に認識頂きたいことは(ご存知の方も多いかとは思いますが)、集団的自衛権は「義務」ではなく「権利」です。議員による審議の結果で集団的自衛権に該当しないから参戦しない、と首を横に振ることだって出来ます。もちろん、断れない状況になってしまい戦争になるケースもあるかもしれませんが。
 ちなみに日本が戦争をすることになるのではないかという指摘に対し、自民党は「自衛隊が武力行使のためにイラク戦争などの戦闘に参加することはない」「自衛のためなら全ての活動を許しているわけではない」との返答をしております。正直疑問が残る言葉ではありますが、これに対しての更なる回答はこれからということになるんでしょうね。

 さて、もっとシンプルな話をすると「徴兵があり得るのか?」ということについてです。答えはハッキリ言ってNOでしょう。憲法で大きく国民の平和を掲げている戦後の日本で徴兵をする可能性など限りなくゼロに近いです。噛み砕いて言えば「国民を守るための戦争でその国民を戦争に駆り出すような状況になるわけないでしょ」ということになります。
 前提として「国民の平和」がある事が非常に大きいと思います。ましてや第99条には以下のように記されています。

第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 そもそもこの憲法がある時点で解釈の変更はどうかとは個人的に思いますが、これがあるかぎり平和という前提が覆らないと思うのです。「それでも今の政治は信用できない!」「どんな変な政策をするかわからない!」と吠えている方は幼稚だと思っております。それならばご自身が勉強して政治家になられて日本を変えればいい。最悪のケースを想定することを悪いとは言いませんが、徴兵になると騒いでいる方を見ると、どうも非現実的で限りなくゼロに近い可能性だと思うんですよね。

 結局のところ、日本にどんな国になったとしても最終的には受け入れるしか無いと思うんですよ。徴兵は在り得ないとは思いますが、自衛隊に友人もいますので、どうかあるべき姿で今の平和が続く事を僕は切に願っております。