2014/12/23

 というわけで業者を呼んで暖房とシャワーを修理してもらった。8万円也。まさか修理に半日もかかると思わなかった。というよりも、半日も作業着を着たオッサンと共に過ごしてしまった敗北感のほうが大きい。せっかくの休日なのに。
 修理を任せて出掛けようかと思ったけど、部屋の人が立ち会わなければならないということで、ずっとオッサンの背中を見つめている間に、一日が終わってしまったのだ。恐らく人生で一番休日を無駄にした日だと思う。

 そして修理が終わり、8万円を渡したらオッサンは荷物をまとめて帰っていった。もちろん暖房は無事に直ったしシャワーも直ったのだけど、脳裏に焼きつくのはあのオッサンの背中。そりゃ6時間もオッサンの背中を見続けていたんだから、無理もない。何が一番嫌だったって、6時間もオッサンの背中を見るために8万円を渡したような感覚に陥ったのが一番嫌だった。どんだけマニアックなデリバリーだよ。もしボクが明日会社で「昨日の休日は何してた?」って聞かれたら「オッサンの背中をずっと見てました」って答えるのだろうか。「帰り際に8万円払いました」と付け足すのだろうか。そうなると、ボクは一体どんな噂を会社でたてられるのだろうか。そのときボクは、笑っていられるだろうか。暖房とシャワーが壊れただけで、なんでこんな思いをしなければいけないのだろうか。